鍼灸と夢恵堂について



 こんにちは院長の津田です。
 このコーナーでは東洋医学や鍼灸に関する知識や当院の情報をお送りいたします。少々専門的なことも書きますが、色々と理解していると受けている治療も楽しめるし、安心できます。是非知識としてもっていて下さい。

About  Acupuncture & Moxibustion in the Mukeido
夢恵堂の鍼灸治療について

 鍼灸治療は2000年以上前に中国で行われるようになった治療法で、今から1500年程前に仏教の伝来と前後して日本に伝わったと考えられています。
 以来、日本人独特の繊細な感性によって現代の日本の鍼灸に変化してきました。
 一般に鍼灸は中国を起源としているため本場は中国で、中国の鍼灸術が優れているように考えられがちですが、料理に中華料理と日本料理があるようにそれぞれに特徴があり、繊細な日本人の体質には日本で育まれてきた日本の鍼灸術があっています。
 これは私が今から10数年前中国に留学し、実際に中国の鍼灸を学び、中国で実際に患者を治療し、日本でも中国式の鍼灸を用いた経験から、日本人には日本の繊細な鍼灸の方があうと確信しております。
 もちろん中国の鍼灸にも学ぶべき点も多く、よいものは取り入れて行く姿勢は崩しておりません。
 当院では繊細な日本の鍼の中でも細い鍼を用い、その材質も人間の皮膚に親和性の高い金製(20K)や銀製の鍼を用いております。また、お灸は知熱灸と呼ばれる温感を感じた時点でモグサを取り除く方法を主に用います。このような方法を用いることで痛みや刺激感がほとんど無く効果の高い治療を行うことが可能になりました。
 

Indication Cases
こんな症状ありませんか?

 鍼灸の適応症についてのご質問をよく受けます。
 鍼灸治療は一般に肩凝り、腰痛などの運動器の疾患が適応と考えられています。しかし、副作用が殆どないことや自己のもつ治癒力を引き出すことから、たくさんの症状や病態に威力を発揮します。
 御相談はメールでどうぞ。 E-mail:mukei@p1.coralnet.or.jp
 

■腰痛の治療について

「椎間板ヘルニアなんですが治りますか。」
こんなお電話を時々いただきます。
なかなか難しい質問ですが、私はこう答えています。「試してみる価値はあります。」
というのも椎間板ヘルニアと診断されたあとに当院を訪れ、鍼灸治療で痛みが無くなった方が結構いらっしゃいます。
「飛び出た軟骨が引っ込むのか。」と言われたら、治ったあとに検査しているわけではないので、何とも言えませんが、かなりのケースで痛みが無くなっているのです。
でも、医師の診断を軽んじてもらっては困りますし、鍼灸で簡単に治るなんて思ってもらっても困ります。
どう考えても椎間板ヘルニアってのは重症なんです。
痛みをコントロールできずに手術にいたったケースもありますし、鍼灸治療で痛みが全く無くなったケースもあります。
 で、「試してみる価値はあります。」というお返事になります。

■不妊症の治療について

 最近、不妊に悩んでいる方から相談をよく受けます。
 現代医学の不妊治療は以前に比し、格段に進歩して来ていますが、なかにはうまくいかない場合もあります。
 また患者さんにお聞きしたところによるとかなり精神的な苦痛を伴うらしいのです。
 当院では現代医学とは全く別の角度つまり、東洋医学の視点からアプローチし、鍼やお灸により身体にマイルドな治療を行います。
 

■妊婦さんの治療について
 
 当たり前のことですが、妊娠時には母子は一心同体です。
 お母さんもお腹の中のお子さんも妊娠期間を元気に有意義に過ごすために安産のお灸をお勧めします。
 母胎にかかる様々な影響は全く同じようにお腹の中の赤ちゃんに影響が及びます。
 つらい症状があるけど、お薬が飲めない、飲みたくない。そんなときに鍼灸は力を発揮できます。 
 妊婦さんのこんな症状が適応です。

逆子-----------お灸がよく効きます。28週から36週までの間が効果的です。
つわり--------なかなかいい治療法がありませんが、鍼やお灸でケロッと治ることもあります。
腰痛-----------妊婦さんには腰痛はつきものですが、辛抱できないときには鍼灸が力になります。
肩凝り--------妊娠時はお腹の中に赤ちゃんを抱えて、happyな時ですが、肉体的には負担が大きく肩も余計に凝りやすいものです。
むくみ--------鍼灸で治療を続けているとむくみにくくなります。
便秘-----------妊娠中にお薬は使いたくないものです。
風邪-----------意外でしょうが鍼灸で治療可能です。
などなど.
 

■小児の治療について

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 The knowledge of Oriental medicine
    東洋医学の基礎知識
 

■東洋医学の身体観
 
 東洋医学では身体の中に「気」という目に見えないエネルギーが流れていると考えています。
 人は例外なく両親からその生を受けこの世に誕生してきます。まずこの両親から受け継がれてきた生命が、「気」として身体の中に宿ります。これを「先天の気」といいます。
 そして誕生時より大気を呼吸し、母親の母乳や食物を口から取り入れ、両親から受け継いだ生命を育みます。呼吸によって取り入れる大気を「天の気」、食物を「地の気」といい、この両者をまとめて「後天の気」といいます。人は生まれてから死ぬまでにこの先天の気と後天の気が身体の中を循環してその人の「気」となり生きていきます。人の死とは「気」の消失を意味します。言い換えれば生命=「気」と考えられます。
 「気」は全身をくまなく流れています。内蔵(東洋医学では五臓六腑と呼びます。)は「気」によって働き、さまざまな身体の動き、精神活動、免疫系、神経系といった生命活動のどれ一つをとっても、「気」によって営まれていないものはないのです。そして、身体の中のある部位が機能するためには、身体中のどの部位にも「気」が滞りなく流れていることが必要なのです。この「気」が流れるメインルートを「経絡(けいらく)」と呼んでいます。そして経絡の「気」やその流れに大きな影響を及ぼすポイントを「経穴(けいけつ)」と呼び俗に「ツボ」と呼んでいるのです。
 
◎経絡に沿って身体中をめぐる「気」
 
 経絡に沿って流れる「気」は、1日の昼夜や1年の四季といった時間の経過によって変化し、大自然のリズムと呼応しています。「先天の気」として親から受け継いだ生命の中には顔や体形、性格なども含まれています。そして親から受け継いださまざまな資質を基礎として、「後天の気」の力によって成長していくのです。東洋医学では体内の「気」は、大自然、日々の生活習慣、社会生活など、人を取り巻く環境に呼応し、これらが有機的につながり移ろいでいく過程で実に巧妙に変動していくと考えているのです。

 
■「未病治(みびょうち)」

◎東洋医学における病気の原因に対する考え方

 東洋医学では病気の根本的な原因を大きく2つに分けて考えています。まず人間を取り巻く物理的な環境を取り上げています。具体的には「寒、熱、風、署、燥、湿」の6つに分類されます。つまり熱、冷え(寒)、湿気、乾燥、風といった環境が原因になると考えています。
 次に人間の精神、情緒を取り上げています。具体的には「喜、怒、憂、思、悲、恐、驚」の7つに分類しています。これらの情動が大きく変動する、あるいは偏り続けると、体内の「気」の働きに変調を来し、経絡や臓腑(東洋医学でいう内臓)に異常が起こります。これを東洋医学では「気が病む」、つまり「病気」と認識しています。このような異常はさまざまな形で表出してきます。症状はもちろんのこと、顔色、舌、腹、脈、情緒などの変化や「気」の出入り口であるツボにも認められます。
 これらは、明らかに現代医学的にも異変と認められる程度はもちろんのこと、現代医学的には取るに足らない微妙な変化をも「気」の変化としてとらえられます。「気」の変化は初期段階では軽微な変化にすぎませんが、これが度重なったり継続すると、顕著な症状や所見を現わすようになるのです。

◎予防医学こそが求められる最善のもの
 
 東洋医学ではこのような「気」の異常を微細なうちから察知し、深く重くならないように対処していくことが、病を治療する上で最も大切であるとしています。これを東洋医学では「未病治」、つまり「未だ病にならざるを治す」としいい、最善の治療法としています。
 肩凝りや疲労といった病気とは言い難い、ほとんど日常的な身体の変化にも気の変動が認められ、そのような軽微な状態のうちに治すことが、病気を治療する上で最も大切なことであるといえます。予防医学こそが病を治療する最善の方法なのです。

 ■「証(しょう)」と「四診」
 病気や様々な症状、兆候は「ちょっと無理があるよ」という身体からの貴重なサインです。
東洋医学の治療方法はこの貴重なサインを読み取って、患者さん一人ひとりの状態に応じ、身体に本来備わっている癒す力に注目し、その力を最大限に引きだせるように治療します。漢方薬だから、鍼灸だから東洋医学というわけではありません。同じ病気でも患者さん一人ひとりの違いや体質をきちんと意識して診察・治療しているのが、東洋医学なのです。
 専門的にはこの患者さんそれぞれの状態を「証」といいます。
この「証」を決めるため診察を行いますが、特徴的なのは四診と呼ばれる独特の方法を使うことです。
四診(ししん)は望・聞・問・切の四つの診察のことをさします。

望診(ぼうしん)---患者さんの立ち姿や動き、顔色、皮膚など客観的にくみ取れる情報のほか、患者さんのもっている雰囲気や表情、生気の有無、人相なども対象となります。舌をみる舌診もこれに含まれます。

問診(もんしん)---現代医学の問診に相当しますが、その内容は東洋医学の概念にそったものとなります。現代医学では重要視されないような患者さんの自覚的な感覚や主観的な感覚も大切になります。細かな兆候など病気や主訴に関係ないこともいろいろ聞きますが、患者さんの全体を把握するために、不可欠です。

聞診(ぶんしん)---声のトーンやしゃべり方などで判断します。

切診(せっしん)---脈を診る脈診、お腹を診る腹診、ツボやコリを調べる切経、背中の状態を調べる背候診、などがこれに含まれます。

これらの診察法を通して、患者さんの個々の状態を総合的に判断し、かつ経時的にに認識していきます。